教師コンサルタントの子育て・教育コラム

元小学校教師の教師コンサルタントが、コンサルの中での気づきや子育て・教育に関するお役立ち情報を書いていきます

”教育実習”ならぬ、”職員室実習”のような春への準備セミナー

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「えー、、、打ち合わせばっかりやん」

 

 

 

 

3月の20日(日)、21日(月)の二日間に、春から先生になる学生さんと若手の先生に向けて4月への準備セミナーを行いました。

 

20日は、子どもが来るまでの一週間
21日は、子どもが来てからの一週間

 

このようなテーマで、4月1日〜8日と4月9日〜15日に何をするのか計画をたてたり、これは必ずやるべきだという事柄を講義したり、二日間で計8時間と大変ボリュームのある時間でしたが、終わった頃にはみな充実感を感じている様子でした。

 

 

実はこの春からの準備セミナーは前半戦で、残り2回あるのですが、ここまでを終えて強く感じたのは、この場は「職員室実習」みたいだなぁということです。

 

 

 

 

実際のものと非常に近い、予定表

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まずこのセミナーでとても大事にしていたのは、予定を立てるということ。しかし、何もわからない中で、「これだけのことがあるからね。いつやりますか?」と提示されても考えるのはとても難しい。

だから、知り合いの先生に4月の月中行事を教えてもらって、本当にあるような一週間の予定表を作って、空いてる時間に仕事を詰めていかないといけないことを体験してもらうようにしました。

 

例えばこんな感じです。

(小学校の場合)

◎4月4日

学年打ち合わせ 9時〜10時
児童の引き継ぎ 14時〜15時

 

◎4月5日

校外学習下見 13時〜17時

 

◎4月6日

各種推進委員会 9時〜10時
学年打ち合わせ 14時〜15時

 

◎4月7日

入学式準備 8時半〜10時半
入学式申しあわせ 11時〜11時半

 

●8日までにやらないといけないこと(一部)
・机の配置 ・要録などの書類にハンコを押す
・始業式の準備 ・学年通信や学級通信の作成
・クラスの棚に名前シールをはる ・事務関係の書類を書く
・時間割の決定、印刷

 

 

これらを表にして、自分はいつ何をするのかを空いている所に埋めていくということをしました。学校の先生から参考にした月中行事なので、参加した学生さんはリアルな見通しをもつことができたようです。冒頭の「打ち合わせばっかりやん・・」という声も、このときに一人の学生から思わず出たものです。そう、学校は4月の初めに年間の動きを一気に提案して決めていくので、最初は本当に会議ばっかりになります。

 

 

 

「学年主任」役を作ってみた

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このような予定表を一人で作っていくのは、本当に難しいので来てくださった経験のある先生に学年主任役をお願いすることにしました。でも、何でもかんでも教えてくれる優しい主任だと自分でまずは考えるということに至らないと思い、「聞かれたことには答える」というルールで、学年主任役をやってもらい、一緒にさきほどの予定表を作っていくことにしました。

すでに経験のある先生にとっても、これは新鮮だったようで「後輩が来る備えができた!」と言っていただけました。

 

 

「朝の会ってどうする?そろえる?」
「そろえましょう!」
「自己紹介カードって、いつ書きますか?」
「んー、自分は4月12日くらいにしよかなと思ってた」

 

このような会話が飛び交う話し合いの様子は、まさしく職員室で行われている学年打ち合わせそのものでした。

 

 

二日間を終えた感想には、こんな声が寄せられました。
(一部抜粋)

 

4月の出会いが大事ということを多くの先生から教えてもらってましたが、良い出会いをするためにルールや自分の軸など細かい点を考えておくべきだと感じました。 考えることが多くて大変と思いましたが、考えていくうちにこれから本当に自分がクラスを持つんだなという感じ、ワクワクしています!

 

2日間の教員準備講座に参加して、1日目は4月からやらなければならない子どもを迎える準備が多過ぎることに不安がつのるばかりだった。自分にできるのだろうか、ついていけるのだろうか、とマイナスなことばかり考えていた。しかし2日目の子どもが来てからの1週間を考えることには、しだいと楽しみだという期待の気持ちが湧いてきた。自分が学級開きでどんな学級にしたいのかとどんな子どもと出会えるのかと考えると少しだが4月からが待ち遠しくなった。

 

講座を受ける前は
「色々やらなあかんことあるよな、大変やな…」
という曖昧な焦りでしたが、講座を受けた後には
「これとこれを準備するんやな、大変!」
と変わりました。やるべきことが多くて大変だということには変わりませんが、具体的に4月1日からをイメージできたことで焦りや不安は減りました。また、仲間と一緒に日程や仕事を考えたり、大変やなー、どうしよーって話してるだけでも心強い味方がここにはいると思うことができました。

 

まず、3,7,30の法則など、知識としては知っていても、自分自身が30日先のことがわかっていないのに、子どもには指導できないだろうなと感じました。
2日間の話を聞かずに1日を迎えていれば、日々の仕事をこなすだけで手一杯だっただろうなと。特に、学校の仕事などまったくイメージできない新卒にとって、一緒に計画を立てられたことはすごくいい経験でした。班活動に力を入れようと思えば、年度当初のレクの段階から布石を投じておくというのは、知識としてはあっても中々自分だけでは意図的にできないなと。また改めて教師は忙しい仕事だなと。笑笑

 

新任向けセミナーはたくさんありますが、こんな風に職員室で行われてそうな話し合いを疑似体験しながら、準備を進めていくセミナーなんてきっとここだけだろうなと思います。

 

ちょっと面白そう!と思った新任さん、初心に帰ろうかなと思う若手の先生!
この準備セミナー後半戦にぜひお越し下さい。
お問い合わせは dlab.npo@gmail.com まで

 

 

■ 今後の予定

 

3月27日(日) 「4月1日を迎えるにあたって」 
前半戦の復習をしつつ、学校で行われる会議の種類や、校務分掌ってどんなものかについて講義し、自分がやりたい教育のためにどんな実践を積んでいくのかを考える時間です。

時間:10時〜12時半 場所:滋賀県コワーキングスペースMaghouse

 

4月9日(土)  「4月の一ヶ月で押さえておくポイント」
家庭訪問や校外学習など、4月末にはやることがたくさん控えています。それらの準備を行い、最初から最後まで良い一ヶ月になるようサポートします。

時間:13時半〜17時半 場所:滋賀県コワーキングスペースMaghouse